『しながわ翁』北品川:「こんな蕎麦は他にないよね。」と、お客さんにそう言わしめるほどの蕎麦。ざる1枚だけではとてもとても…【蕎麦劇場神無月】
"蕎麦屋を表す屋号"というものがいくつかある。
「更科」「薮」「砂場」
貴方も聞いたことがあるのではなかろうか。
「翁」もそんな屋号の1つらしい。
屋号がある、という時点で歴史を感じさせる。
この屋号1つをとっても江戸時代から続く歴史があったりするのだろうか…と想いを馳せる。
いつか詳しい人にじっくり話を聞いてみたいものだ。
さて、ここ『しながわ翁』さんは名前が示す通り、品川にある蕎麦の名店だ。
店の前は大勢の人で連日行列ができている。(撮影はお昼の閉店間際。ピーク時は店の前から長い行列が。)
ふと、ショーウィンドウを眺めると、「きのこそば始めました。」の文字。
もうすっかり秋。
季節の移ろいはあっという間だ。
入店し、メニューを眺める。
"きのこそば"にそそられる私。季節ものに弱い。
しかし…やはりここは"もりそば"か。
極める以上は、まずは最もスタンダードな形を追求していきたい。という、個人的な信念。
何とか信念が勝った。
もりそばの"ざる"を注文。
すぐさま到着。もりそばは早くていい。
見るからに美味しそうな蕎麦。
瑞々しく、艶やかで、美しい。
蕎麦つゆをチョンと付けて。
啜ると、華やかな蕎麦の香りが。
蕎麦つゆは出汁は濃いが、そこまで辛くはない。
鰹の濃い味と香りが蕎麦の香りと相性抜群だ。
蕎麦はコシがあり、喉越しが素晴らしい。
私は蕎麦の味を楽しむ田舎蕎麦タイプの蕎麦より、喉越しを楽しむこのタイプの蕎麦が好きだ。
暫し蕎麦に没頭…
ーーー食べ終わるまではあっという間だった。
本当にあっという間。5分も経っていなかったように感じる。もしかしたら、待ち時間より短かったかもしれない。
もともとそこまで量も多くないのだ。
この美味い蕎麦をもっと食べたい…。という欲求に駆られる。
しかし、過ぎたるは及ばざるが如しという言葉もある。
この空腹感だからこその、この幸福感。
そう自分に言い聞かせ、店を後にする…
ちなみに、店のテーブルにはこんなチラシもある。
なかなかに分かりやすいのではないだろうか?
場所が少々分かりづらいが故の心遣いではないかと推察する。
非常にありがたい。
蕎麦を待っている間、隣の老夫婦が
「こんな蕎麦は他にないよね。 ほんと。」
と話しているのが聞こえた。
その気持ちもうなずける、とてもしなやかで喉越しの良い蕎麦。
「翁」と言われたら、私は真っ先にこのお店が浮かんでしまう。
次は友人達と腹一杯食べに来よう。
ご馳走様でした。
ハード系パンダラボッチ 拝
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しながわ翁
03-3471-0967
東京都品川区北品川1-8-14
https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131405/13001865/
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