『並木藪蕎麦』浅草:蕎麦一本で勝負する潔さ。メニューやテーブルの上など随所にこだわりが垣間見える、歴史感じる浅草のお蕎麦屋【並木藪蕎麦】
ご存知の通り
今月は蕎麦を食べ続けているわけだが、打ち方1つでここまで違うものかと日々思い知らされている。
特に私は"もりそば"にフォーカスして食べ歩いているため、蕎麦自体の違いは割と鮮明に分かる。
せいろやざるに乗った蕎麦をつゆにつけて食べるだけのシンプルな料理。
しかしながら、その奥深さは底が知れない。
さて私はこの日、茨城へ常陸秋蕎麦を食べに行っていた。
常磐線。上野で下車。
このまま帰っても良かったのだが、せっかく上野に来たわけだし、どこかないかと探す。
地図を見ると、上野から浅草が割と近いことに気がつき、徒歩で浅草へと向かうことした。要は電車賃をケチったのだ。
本日のお店『並木藪蕎麦』さんは浅草通りと江戸通りの結節点、駒形橋がある五叉路を北西に進んだ道沿いにある。
歴史を感じる落ち着いた佇まい。
すっかりお腹はペコペコだ。
入店し、メニューを見やる。
私が訪れたとき、見た限りでは特にサイドメニューなどは無く、あるのは蕎麦のみ。
ここまで一切サイドメニューが無いお店も珍しい。サイドメニューは置かず、蕎麦のみで勝負する心意気だろうか。
また、テーブルの上も何も無い。
よくある七味などは無く、爪楊枝もない。机のみ。メニューで感じた心意気・こだわりを此処でも感じる。
そうこうしているうちに"ざるそば"が到着。
ざるの上に乗った蕎麦は瑞々しく輝いている。
一口食べると、柔らかい。
私が強く感じたのは、柔らかさと太さ。
口に入れた瞬間、思ったより太さを感じた。
しかしながら、噛み応えのある田舎蕎麦といった感じではなく、むしろ私が今まで食べてきた蕎麦の中ではそこそこ柔らかい部類だ。
噛み易く、噛むほどに蕎麦の香りが鼻から抜ける。
優しい蕎麦だと感じた。
また、もう一旦特筆すべき点があるとするならば、つゆの濃さが挙げられるだろう。
今まで食べた中でもっとも濃いつゆだったかもしれない。
蕎麦が食感といい香りといい優しい味わいであったため、付けすぎると蕎麦が負けてしまう。
此処の蕎麦つゆには蕎麦をあまりジャブジャブ付け過ぎないことをオススメしたい。
そして蕎麦湯の時間。
至福のひと時。
蕎麦湯入れの急須がデカい。
故に、蕎麦湯が沢山飲めて個人的には大満足。
また、蕎麦つゆが濃いであるが故に、蕎麦湯にチョロリと蕎麦つゆを垂らして飲むと淡い蕎麦湯の味わいと相性抜群。
前述したが、テーブルには七味などは無い。
この蕎麦湯に七味を少々かけて飲んだらさぞかし美味しいだろうなと思いを馳せつつ、蕎麦湯を啜る。
なんだかんだで蕎麦つゆを全て飲み干してしまう私。流石に塩分取り過ぎだ。
「蕎麦湯は調子に乗って飲み過ぎると良くない。」という教訓を得た、秋の夜だった。
ご馳走様でした。
ハード系パンダラボッチ 拝
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並木藪蕎麦
03-3841-1340
東京都台東区雷門2-11-9
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13003650/
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