『とんかつ成蔵』南阿佐ヶ谷:復活した名店が繰り出す、シャ豚ブリアンは秋田美人だった【とんかつ文月】
皆様は『成蔵』をご存じだろうか。
高田馬場にあり、とんかつの一時代を築いたと言っても過言ではない名店。
この『成蔵』は今年3月に閉店が決まり、連日早朝から長蛇の列。
多くのファンに惜しまれつつその幕を下ろした。
はずだった。
なんと、その『成蔵』が7月8日に南阿佐ヶ谷で復活したのだ。
このタイミングに驚き、即OMAKASEで予約をキメて訪問した。
色々語ったが、移転前の『成蔵』には未訪問。
先伸ばしにしたあげく、行けずじまいで非常に後悔していたのだ。
これは運命に違いない。
外観は民家である。
どう見ても、成蔵さん宅である。
ピータン木綿は飲食店らしきものを見つけられず15分くらいさ迷ったので、30分早く行って正解。
この日頼んだのは、「雪室熟成豚 シャ豚ブリアンかつ2個(120g)定食:3,980円」。
注文は予約の際に決める必要がある。
ただし30分前につけば変更できる模様。
カウンターに腰かけていると、程無くして凛とした色白なとんかつが現れた。
秋田美人や。
秋田美人。
低温であげられたとんかつは、油を全く感じさせず静かに凛と佇む。
このとんかつから感じる静けさは、緊張感のあるものではなく、様々な音を吸い込んでしまう雪景色のような静けさ。
初めて出会うタイプのとんかつ。
箸で持ち上げると、サクッと衣が音をたてる。
力を込めたら壊れてしまいそうだ。
優しく持ち上げ、断面を見ると、肉に負担をかけないよう丁寧に熱を入れたことがよく分かる。
色っぽい薄紅色。
見ただけで、しっとりした肉質が伝わってくる。
何もつけずに口に頬張ると、衣の香ばしさが花開く。
非常に軽やかなサクサク感、これは自分の知っている衣ではない。
噛み締めると肉の旨味や甘さがじんわり広がる。
脂ではなく肉が旨い。
最初はロースと迷ったが、シャ豚ブリアンにして正解だったかもしれない。
そのままでも旨いし、塩でも甘さが引き立つ。
ソースをかけるのは無粋かと思った初めてのとんかつ。
惚れてしまうとんかつに出会うことが多くて、人生が色づき始めたピータン木綿であった。
ちなみに追加で「メンチカツ」を頼んだのだが、
人生で一番旨いメンチカツだった。
(こちらは熊本美人と言った感じか...)
アホ衣がチャーミングである。
ピータン木綿 拝
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とんかつ成蔵
東京都杉並区成田東4-33-9
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131905/13236380/
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前回の【とんかつ文月】はこちらから。
foodie-pandemonium.hatenablog.com