『波止場』西小山:プロポーズを申し込みたいとんかつと出会った【とんかつ文月】
7月は25店舗のとんかつ屋さん訪問したのだが、自分のインスタを見ている知り合いからは欠かさずと言っても良いほど、
「一番美味しかったとんかつ屋さんはどこ?」
という質問を受ける。
これは非常に難しい問題で、当たり前のことだが、まず人が美味しいと感じる上で重要視するものがそれぞれ違うので、僕の美味しいと君の美味しいは違うのだ。
だからこの手の質問には、
「一番好きなお店なら教えられるよ。」
と答えるようにしている。
では、
「一番好きなとんかつ屋さんはどこ?」
と聞かれれば、その答えは西小山にある『波止場』である。
ちなみに、正確にはとんかつ屋さんではなく居酒屋さんだ。
この『波止場』に興味を持ったきっかけは、友人が紹介してくれたこちらの記事を読んで、どうしてもこちらのとんかつが食べたくなったからである。
入店して、カウンターに座る。
目の前にはお店のこだわりが。
ヤミ豚(由来はメシ通の記事を参照して下さい)…、どんなとんかつが目の前に現れるのか非常に楽しみである。
お米にもこだわっている点は、かつと米のマリアージュがとんかつの醍醐味だと思っている僕にとって、非常に喜ばしい。
メニューとにらめっこしながら、「ロース」は「ヒレ」か悩む。
毎回訪れるこの時間が僕は好きだ。
悩んだ挙句、「上ロースとんかつ定食」に決めた。
脂身に特徴がありそうな「ヤミ豚」、この脂を楽しむならもちろん「ロース」だろう。
ちなみに支払いにPayPayも使えるとのこと。
待ち望んていた上ロースとんかつが到着。
これがまさか運命の出会いになるとは。
この見た目…、NHKの朝ドラ「ウェルかめ」に出演していた倉科カナさんを初めて見た時と同じ衝撃。
好みど真ん中ってことです。
香ばしさ際立つ褐色の衣に、しっとり滑らかな美しい肉質。
衣と肉の一体感も完璧。
たっぷり絡ませた卵が良い仕事しています。
まるで沖縄の陽を浴びて健康的に育った、元気とひたむきさが取り柄の女の子。
でも何かに思い悩み時折見せる儚げな表情には、この子を守りたいと思わせる何かがある。
食のことしか考えていない僕には、このとんかつがそう見えています。
病気ですね。
一切れめは、ご主人お薦めの塩で。
非常に甘い。
融点の低い脂は、一瞬で口全体に広がり甘味と旨味を届ける。
確かに初めはこの「ヤミ豚」の特徴を知るために、塩でいただくのがお薦め。
しかも、噛めば噛むほどに香ばしさと旨味が。
これは肉質と揚げ油由来のものであろう。
噛み続けている間も香ばしさが感じられるなんて驚きである。
だがやはり僕はソースこそとんかつに合うと思っている。
脂の旨味とソースの塩味&フルーティーさ、ラードの香ばしさと、ソースの香り。
これらが噛み合う瞬間が、とんかつにおいて至福。
程よく硬めなご飯と一緒に楽しんでいると、あっという間に無くなってしまった。
脂が軽いので、食べ進めている間も重さを感じることは無く、ペロッといける。
今までに経験したことのない、旨みのふくらみとキレの良さである。
まさか西小山で運命のとんかつに出会うことになるとは。
こんなとんかつと結婚出来たら、ノー残業で帰宅待ったなしである。
すぐにでもまたこのとんかつに会うために、『波止場』へお邪魔したいものである。
ピータン木綿 拝
前回の【とんかつ文月】はこちらから。
foodie-pandemonium.hatenablog.com