『豚組食堂』六本木:六本木の夜はしっぽりとんかつ。君はこの悪魔的魅力に勝てるか!?【とんかつ文月】
不規則な仕事をしていると、夕飯が22時を過ぎることはザラにある。
そしてとんかつ屋さんは、大体22時には閉店している。
夕飯にとんかつ屋さんを探す私にとって、これは非常に大きな問題だ。
しかし、六本木にこの問題を解決する一軒のお店がある。
それが、『豚組食堂』だ。
うーん、オシャレ。
あまりとんかつ屋さんっぽくないですよね。
こちらは23時まで営業している(L.Oは22:30)。
取り敢えずメニューを開くと、お店のこだわりが書かれている。
本店は西麻布の『豚組』。
銘柄豚にこだわったとんかつ屋さん、私も大好きなお店である。
この『豚組食堂』では、少しリーズナブルに『豚組』の味が楽しめる。
ちなみに、『豚組食堂』には食べ方三原則というものがあり、
1. かつは横向き。
2. ソースは小皿に。
3. はじめは塩から。
である。
「郷に入れば郷に従え」ということで、よっぽどの事がなければ原則に従う。
肝心のとんかつであるが、この日は飲み会後だったので、一番サッパリしていそうな「フィレかつ膳165g(スタンダード銘柄豚)」にした。
一本まるごとタイプの見事なヒレカツだ。
衣はザクザクとサクサクの間、申し分ない食べごたえが想像できる。
断面を見るとほんのり桜色。
肉の縮みも少なく、味に期待が高まる。
ラボッチも述べていることであるが、とんかつは衣と肉の親和性が非常に重要なのだ。
譲れないこだわりである。
それでは左から三切れ目を頂く。
これには特にこだわりはない。
最初は塩で。
思った通り、大ぶりの衣ながらサクッと歯が通り、違和感なく肉に到達する。
柔らかすぎず、しっかり肉の繊維が感じられるカツを噛み締めると、旨味のつまった肉汁が。
非常にシルキーな甘味だ。
嫌みがない、こういった良い意味でさっぱりした脂には、確かに塩が合う。
だが、やはり個人的にはとんかつにはソース。
いつも通り、キャベツにソースをかけ、それを挟みながら、何物にも染まらない無垢なとんかつを頬張る。
ちょっとした背徳感と高揚感。
自分なりの食べ方を模索するのも、食の醍醐味である。
やはり、汁物は赤だしに限る。
ラボッチはとん汁派だが、そこは認めつつ譲るつもりもない。
確かにとんかつ屋さんのとん汁は旨い。
だか、私はとんかつの後に脂を求めていないのだ。
さっぱりとした赤だしのお味噌汁は、とんかつを食べた後、心をほっと落ち着かせてくれるオアシス。
夜22時過ぎでも入店できる、貴重なとんかつ屋さん。
ちょっとした残業あがりに同僚の女の子をこのお店に誘い、男らしくとんかつを食べる姿を見せれば、もしかしたら株が上がるのではないか。
そんな夢を見させてくれる、とても素敵なお店である。
ピータン木綿 拝
前回の【とんかつ文月】はこちらから。
foodie-pandemonium.hatenablog.com