『のもと家』東京都港区芝公園【とんかつ文月】
いただきます。と
ご馳走さまでした。について。
日本人には昔から「いただきます。」と「ご馳走さまでした。」を言う習慣がある。
これは他の国々にはあまり無いものだ。と、聞いたことがある。
「いただきます。」も「ご馳走さまでした。」も手を合わせる。
手を合わせて、命をいただいていることに感謝をし、食材に祈りを捧げる…。
時間にするとほんの数秒のこの行為。
私はこの行為がとても好きだ。
こういうことをついつい忘れがちになってしまう現代社会。
いつまでも大切にしていきたいと、今日も自戒を込める。
数年前、まだ私がここまで食べ歩きをしていなかった頃、東京へ行く機会があり入ったこちらのお店。
当時はあまりの美味しさに非常に感動したのを覚えている。
それから月日は経ち、数年ぶりの再訪。
ずいぶんと間が空いてしまった。
お店に着くと、数年前と変わらない相変わらずの行列。愛され続けている証拠だ。
土曜日に訪問したので、メニューは黒豚のみとのこと。通常のとんかつより少々値は張るが、それだけ良い肉を使用しているのだ。
むしろチャンスと捉え、意気揚々とひれかつを注文。
こだわりの黒豚は鹿児島産六白黒豚。
六白黒豚とは文字通り、4本の足と鼻、尾の先の六ヶ所が白くなっている黒豚で、
特徴として鹿児島名産のサツマイモを飼料としており、脂身はほんのり甘くて、融点が通常の豚よりも高いのでベタつかずさっぱりとした良質な肉の味わいがある、とのこと。
食べてみると、肉質はしっとりとしてジューシー。厚切りのため繊維も程よく感じられ、食べ応えは十二分である。
衣はパン粉が大きめで、こんがりとサクサクに揚がっている。綺麗なきつね色だ。
肉は甘く旨味があり、喰めば喰むほどに心が幸福で満たされていく。
私は醤油で食べるのが個人的に好みだ。
醤油で食べることを推奨しているこちらのお店は醤油派である私にとても嬉しい。
添えてある茎わさびをのせていただく。
茎わさびの辛味と風味が甘味のあるとんかつ醤油に非常によく合う。
茎わさびには恐らくとろろ芋。
とんかつ醤油はたまり醤油のような甘味がある。
無論、ソースでもいただく。
だが、やはり醤油に戻ってしまう…
美しく緑に輝く薄切りキャベツに辛めのソースが美味しい。
あっという間に完食。
幸せな気分で店を出る。
外に出ると、雨が降り出していた。
しかし、全く嫌な感じはしない。むしろ恵みの雨だ。
前回の訪問から随分と時が経ち、私の認識も変わったと思う。
しかしながら、のもと家さんのとんかつは以前と変わらない美味しさと感動を静かに湛えていた。
次は近いうちに来よう。
ハード系パンダラボッチ 拝
- ジャンル:とんかつ
- 住所: 港区芝公園2-3-7 玉川ビル 2F
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- (写真提供:HUKUOKA)
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前回のとんかつ文月はこちらから。